季節の薬膳

=春=
春になると気温が上がり、木々は芽生え、動物は冬眠から覚め、「陽気」が増え、新陳代謝も少し盛んになってきます。風の邪は上半身に出やすく、正気(抵抗力)が不足気味であれば、花粉症やかぜを引きやすくなります。また、陰虚であれば体のなかで陽が高まりすぎて、目、肝臓、胆のうなどの不調や、イライラ、自律神経の不調などがおこりやすくなります。

春に体調が崩れたら…
陰虚の人はこの季節、陽が高ぶりやすくなります、高ぶりすぎた陽の気を抑えることによってバランスが整います。もともと陽気が不足している人は、風の邪気に犯されやすくなります。風邪は、邪気を発散して取り除きます。代表的な食材:春菊・菊花・セロリなど

*春菊と菊花のサラダ

生のシュンギクに茹でた菊花とシメジ茸を組みあわせたサラダ。
さっぱりとポン酢+ごま油でどうぞ。

春菊 辛・甘/涼
心・脾・胃経・胃腸を丈夫にし、肺の粘膜を潤して肺の働きを回復し、痰を切る。精紳を安定させる。便秘を解消し、利尿する。高血圧によるのぼせやめまい、頭痛や目の充血、吐き気、嘔吐や下痢に

菊花 辛・甘・苦/微寒
肝肺経・風邪を取り除き、肝などの熱を冷ます。解毒し、視力を改善する。


*イカとセロリのエスニック風和え物

レモン果汁とナムプラーと砂糖を3:3:2の割合で混ぜ調味液をつくっておき、軽く茹でた刺身用のイカは、一口大に切り、セロリと一緒に調味液につけ、冷蔵庫でしばらく置いて味を馴染ませます。糸唐辛子を飾ります。写真では白木耳を少しいれました。

セロリ 甘・苦/涼 肝経
肝の陽気の高ぶりを鎮め、体にこもった湿や熱を冷まします。高血圧の方にも!

イカ 咸/平 肝腎経
養血滋陰(血を養い陰を補う)、月経を促す、胃酸をおさえる。


=梅雨・長夏=
湿度の高い梅雨時には、体の中にも湿の邪気が溜まりやすくなります。むくみ、手足や頭が重だるくなったり、湿疹、下痢や軟便、食欲不振などにきをつけましょう。

体に湿がこもったら…
体にこもった湿気を外に出していきましょう。湿気は汗から出す尿から排泄、脾の働きを高めるという3つの角度から改善していきます。

*小豆とハトムギ入りのミネストローネ

ベーコンとさいの目にカットした野菜(セロリ、にんじん、玉ねぎ、ナス、じゃがいも)とスライスしたニンニクをいため、鶏肉も加える。野菜に軽く火が通り肉の表面に焼き色が付いたら、水と白ワイン(またはお酒)を加え煮込む。あらかじめ下ゆでしておいたハトムギや小豆を加え火を止める。

小豆 甘・酸/平  心・小腸経
体にこもった余分な水分(湿)を取り除き、むくみをとり、解毒する。

ハトムギ 甘・淡/涼 肺・脾・腎経
体にこもった余分な水分(湿)を取り除く。脾のはたらきをたかめ、下痢や軟便を改善する。


*とうもろこしとハトムギの中華風ポタージュ

クリームスタイルコーンの缶詰を使う。鶏スープで缶詰を伸ばし、茹でたハトムギを飾る。 卵を流しいれる。

とうもろこし 甘/平 大腸 胃経
胃腸の調子を整え体にこもった水や湿を尿から出す。血圧や血脂、血糖を下げる。

ハトムギ 甘・淡/涼 肺・脾・腎経
体にこもった余分な水分(湿)を取り除く。脾のはたらきをたかめ、下痢や軟便を改善する。


=夏=
夏は暑さにより、汗をかくので、気と津液(体に必要な水分のこと)を消耗します。
四方を海に囲まれた日本では、更にこの時季湿気も多いので、湿気と暑さの両方が体に負担を掛けます。

夏ばてのときには…
旬の野菜や果物には、熱を冷ましたり、利尿したり、熱を冷ましたりする働きのものが多くなっています。適度に津液の出すぎを抑える酸味のものや、汗で摂られた塩分を補う、塩味のものを適度にとりましょう。

*スイカとトマトのジュース!

スイカだけだと甘すぎるときは、スイカとトマトが2:1くらいにするとバランスがよいです。
炭酸水で割って飲んでも美味しいですよ






*トマトのサラダ

ドレッシングではなく、甘酢(酢:大匙3、砂糖:大匙1、塩:少々)で和え、香菜と胡麻をトッピング。

スイカ 甘・寒 心・胃・膀胱経
主な働き、体にこもった余分な熱を冷ます 口の渇きを止める 利尿する
適応 夏バテ 咽の腫れや痛み、口内炎など
(胃腸を冷やすので冷え性の方は注意しましょう!)

トマト 酸・甘/微寒 肝・脾 胃経
津液を増やし口の渇きを止める 胃腸の働きを高め、消化を促進。体にこもった熱を冷ます。
適応:熱による口の渇き、食欲不振、高血圧、貧血など
(胃腸を冷やすので冷え性の方は注意しましょう!)


*もやしのナムル

もやしは五分ほどゆでてから塩とごま油で調味します。体にこもった熱や湿気を取ります。

大豆もやし:甘/寒 脾・胃・膀胱経
体にこもった熱を冷まし、湿を取り除くなど。イボや胃に熱がこもった時にも良いです。




=秋=
秋は中国では、雨が少ない季節とされています。日本では10月くらいから冬に掛けて乾燥が目立ちます。自然界の乾燥によって人も肌や髪の毛、口や鼻などに乾燥が出やすくなります。
空咳、唇やのどの乾燥、肌や髪の乾燥、目の乾燥、鼻づまり、尿量の減少、腸の水分不足による便秘などが起こりやすくなります。

自然界の乾燥から身を守るためには…
体表の乾燥には、肺を潤す食材がよいとされます。肺を潤すと同時に口や鼻、肌などの乾燥も改善することが出来ます。白い食べ物の多くが肺を潤すとされています。例えば、白きくらげや、なし、杏仁、大根、など・・・。熱を生む食べ物や極端に体を冷やすものはよくありません。平性、あるいは、涼性の食べ物がお勧めです。

*白きくらげのスクランブルエッグ

身近な卵を使って、スクランブルド・エッグにしました。
白木耳をたっぷり入れたら卵とじみたいになってしまいました。
卵にオイスターソースを入れて、塩で味を整えてます。
ニョクマムでも美味しいです。

白きくらげ :甘・淡/平和 肺胃腎経
陰を補い、肺を潤すと言われます。肺の潤い不足による咳や、疲労による咳に。
(風寒感冒の咳、あるいは身体に湿がたまっている人は注意してもちいること)


*梨と杏仁の煮物

梨と杏仁を薄めのシロップで煮ました。香り付けに桂花陳酒を入れました。

梨 甘微酸/涼  帰経 肺・胃
体にこもった熱を下げ津液を増やし、咳を止める 血を養い皮膚を再生 酒毒を取り除く。 熱病による津液の消耗に、熱病の後期に、 陰虚によるイライラやのどの渇きに、から咳 失声 喉や胸のつかえ、消化不良 便秘に



*杏仁豆腐

苦杏仁(北杏仁) 苦/微温 肺大腸経 
杏の種の中にある白い部分。 肺を潤したり咳を止めたり腸を潤し便通を良くする働きが。 杏仁には甘杏仁と苦杏仁の二種類があります。苦杏仁のほうは、とり過ぎないように。




=冬=
冬は一年で一番寒い季節。自然界には「陰」が増加します。寒さの影響を受ける私たち人間は体が縮こまり、毛穴も閉じ、気血のめぐりが悪くなります。寒いため活動量も少なくなります。

寒さから身を守るためには…
体を温める食材や、腎を補う食べ物をいただきます。
脾を補うものをいただいて、後天の精を補うことによっても腎を間接的に補うことになります。
主な食材 羊 鶏肉 くり もち米 海老など

*蒸し海老

活車海老などを紹興酒で洗って、5分ほど蒸す。
醤油に生の唐辛子の輪切りを加えたもので食べるとおいしい。

海老 甘咸/平・補腎
腎陽を補う。元気を補い、食欲を増進する。

海老 甘咸/平・補腎
腎陽を補う。元気を補い、食欲を増進する。


*参鶏湯(サンゲタン)

鶏肉(骨付き) 8本 ニンニク2片 天津甘栗10 個  蓮の実10個 もち米50g位 ナツメ4個 蓮の実10個 水1リットル 朝鮮人参 輪切りなら 10g(生なら、小さめのもの1−2本) ナツメ4個 蓮の実10個→半日ほど水につけて戻しておく もち米、銀杏、人参などと水を鍋に加えてぐつぐつと煮る。 長く煮たほうがお肉が柔らかくなって美味しい2時間以上。 お好みの塩やキムチを添えて。

鶏肉 甘/温 脾・胃経
胃腸の調子を整える。 気を補い、後天の精を補う、髄を補う、吐き気を止める。

人参 甘・微苦/微温 脾肺
おおきく元気を補う。脾や肺を補う。津液を生み出しのどの渇きを抑える。精神安定にも。

もち米 甘・温/脾胃肺経
胃腸を整え、気を補う。脾を健やかにし、下痢や軟便を改善する。
じっとしていても出てくる汗(自汗)にも。

栗 甘・温 脾胃腎経
脾胃を養い、腎の気を高める。血のめぐりを改善し、止血の働きもある。
咳や痰にも。


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